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help リーダーに追加 RSS 紡がれる蒼い唄 Misson10-5 獣人の役割

<<   作成日時 : 2007/11/18 20:11   >>

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 「許すわけにはいかんだと?私が、どれだけ国に尽くしてきたと思う。この目も、この腕も国に捧げた。すべて、国のためだ。お前のように、奇麗事だけで国が治まると思っている馬鹿をみると、胸が悪くなる。すぐに立ち去るならばよし。さもなければその命、ないものと思え」

 狂気に、殺気が混ざる。
 反射的に、体をひねった。その頬を、矢が掠める。斬撃。左右から同時だった。左の剣を、柄尻で跳ね上げると同時に、右に剣を突き出した。切っ先が、兵士の喉を突き抜ける。
 チョコボを駆った。剣を振る。腹の中が、どうしようもなく熱くなった。その熱さが、トモノを突き動かす。自分では、止める事ができない。一人の兵士を切り下ろした。チョコボがしばらく通り過ぎた後で、その兵士は頭から二つに分かれていた。
 気がつくと、周りには兵士の屍だけが転がっていた。ただ一人、ジークだけは剣を抜かずに、じっとこちらを睨みつけている。
 「痛い所を突かれた、という所か?まったく、こんなに殺しちまって」
 ジークはそう言うと、転がった兵士を蹴飛ばした。兵士の体は、二つに別れている。
 なぜ、そんな殺し方をしてしまったのか。打ち倒すなら、胸を一突きすればよい。それは、体に染込んでいるはずだ。
 ジークが、木の根元に腰を下ろした。やはり、剣は抜いていない。トモノは、騎乗からジークを見下ろしていた。
 「お前、自分の心に蓋をしているな。いいだろう、俺がお前の心の内を教えてやる。その代わり、俺を殺すな。少なくとも、俺が喋り終わるまでは、だ」
 ジークは、左目をなでるような仕草をした。先ほどまでの狂気は、消えている。
 「国に必要な犠牲だと言ったのは、嘘ではない。お前、今の国の状況を考えたことはあるか?」
 トモノはそれに答えず、ただジークを睨みつけていた。体が、おかしい。血が、熱くたぎっている。なぜこんなに血が騒ぐのか。
 「大戦が終わり、ジュノを含めた四国は同盟を交わしている。獣人と戦ってはいるが、それは、新たな方向の侵略戦争だ。それでは、なぜ人々が獣人の地を侵略するのか。それも、決まりきったように、バストゥークはクゥダフを、サンドリアはオークを、ウィンダスはヤグードを。本気で獣人を根絶やしにしようとするなら、各国で連合軍を結成し、一つの拠点に攻め入れば容易いことだ。三国が一つになり、一つの拠点を攻める。単純に考えても三対一だ。拮抗した戦力が、そこでは三倍になる。局地戦などと言う、半端な攻め入り方ではなく、根絶やしにする。その間、各国の首都は少人数で守ればよい。バストゥークを例に挙げれば、千の守兵だけで、五年は守り通せる。他の国も、同じようなものだろう。人間と獣人には、もうそれほど差があるのだ」
 ジークは、そこで一つ息をついた。
 「それでは、なぜそうしないのか。三国の首脳は、こぞって獣人対策に頭を悩ませている。なぜか?」
 ジークは、トモノを覗き込むように、目を凝らした。
 「獣人にいなくなられると困るからだ。単純な話ではないか。三国が三国とも、外敵を抱えていなければならない。自国のためにも、他国のためにも」
 「なぜだ?獣人がいることに、何の意味がある」
 気がつくと、トモノはそう言っていた。話に引き込まれている。そう思い、舌打ちをした。
 「馬鹿か、お前は。まったくめでたい奴だ。例えば、どこか一つの国の獣人戦が終結してみろ。それまで獣人に向けられていた戦費は、必ず他の二国に向かう。後方に憂いがなければ、同時に二国に攻め入ることも考えるかもしれん。なにせ、獣人との共同作戦も視野に入れた戦略が可能なのだからな。それが、まず他国のためだ。もうひとつ、自国のためというのは、獣人に戦力が向いている限り、経済が滞ることがないのだ。外敵を抱えているがゆえに、武器や防具を作らねばならない。それは雇用を促進し、鉄や皮、果ては兵糧になる食物まで、大きく経済を刺激してる。一言で言うと、戦争が続く限り、貨幣供給量が流通に必要な量を下回ることがないのだ。万が一供給量が下回ると、物価水準が下落し、生産水準の低下、失業の増加が起こる。つまり、戦争経済の破綻は、世界経済の破綻に繋がるのだ」
 ジークは、にやりと笑った。その目は、トモノの心のそこを見透かしたようだった。
 「気がついたようだな。とりあえず、沈黙は承諾の証だったはずだ。その剣を降ろせ。まだ俺は喋り終わっていないぞ」
 気がつくと、トモノは剣を構えていた。知らぬ間に、殺気も放っている。
 「人間は獣人に対して、ほど良い敵対心を持っていなければならないのだ。生かさず、殺さず。どの国も、そればかりに腐心している。万が一攻め滅ぼすようなことがあれば、経済の衰退は目に見えているのからな。他国のため、とは言ったが、実際に他国に攻め込むとなると、相当の戦費が必要になるし、第一攻め入る大義が見つからねば、世論の反感を買う。そんな戦、勝てるわけがない。万が一勝ったとしても、立ち直れないほどの傷を負うだろう」
 ジークが、禍々しく笑っていた。
 「そうだ、トモノ。この商隊を襲ったのは、獣人なのだ。獣人たちは、下品で、野蛮だ。人に、害をなすものだ。お前もそう思うだろう?」
 笑い声。ジークが笑っている。
 「俺は、もう何十年もこの任務を受けている。大戦中からな。獣人は、憎まねばならぬのだ。お前も憎んでいるのだろう?かわいい部下達を、無残に殺されたのだからな」
 笑い声が、大きくなった。腹の中が、煮えている。どうしようもないほどに、腹の中が熱い。気がつくと、剣を払っていた。ジークは、寝転がるようにして剣を交わしている。トモノの剣は、木の幹に深く食い込んでいた。
 「残念だったな、お前の部下達は。殺したのは、俺だ。しかし、それも国のためよ。獣人との和解など、あってはならん。恨み続けねばならんのだ。国のためにな。言っておくが、お前達の部下は、無駄死にではないぞ。大戦中は、ああいう事件が数多くおきた。それで、和解派の意見を黙らせることができたんだ。心配するな。お前の死も、国の役に立つ」
 そう言い残すと、ジークは駆け去った。木の根元、ジークが座っていた位置に、箱がある。そこから火薬の匂いがした。
 閃光と爆音。両手で、顔を覆った。もぎ取られるようにして、意識が体から離れていくのを、トモノは感じていた。
 


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コメント(2件)

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エルさんおひさデス!
続きが気になります!!
が、忙しそうなので気長に待ちます!!!
楽しみにしてるのでがんばって〜〜〜!
追伸 ナイトと忍者上げてスコハ着られる様になったヨ(>_<)ノ
なじ
2007/12/03 21:42
おぉ。数少ない読者がッ!
お久しぶりです。現在多忙で更新が著しく遅れております。申し訳ない。
構想があっても、書く時間がないのですよ。UPしても誤字脱字多いし。ナサケナイ。しかもそれを直す時間もない。
もうちょっとかかるかもしれないけど、本当に気長に待っててくだされ。

FFはまた大規模VUなんかあったから盛り上がってんのかな。もう引退したけど情報だけは追ってます。
ナジのスコハ見たかったなぁw
エルメス@仕事
2007/12/04 19:30

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